アメコミ感想 第7回 スーパーマン:レッド・サン

気づけば「バットマンvsスーパーマン」公開まであと僅かとなりました。
だからという訳ではありませんが、今回はスーパーマン翻訳作品の中でも、一際異彩を放つ表題作品をご紹介致します。

「スーパーマン:レッド・サン」

[脚本]マーク・マークミラー
[作画]デイブ・ジョンソン
              ギリアン・プランケット

「スーパーマン:レッド・サン」は‥「キックアス」や「キングスマン」、「シビルウォー」などでお馴染みのライター、マークミラーの手がけたエルスワールド作品(基本世界とは別の『もしもシリーズ』だと思って下さい)です。

スーパーマンは赤ん坊の頃に破滅する母星より宇宙船で脱出したわけですが、「レッド・サン」はもしスーパーマンの宇宙船がアメリカではなくソ連(ロシア)に墜落したら?というifより物語が始まります。
もう1人の「鋼鉄の男」スターリンに見出されスーパーマンはその超常的な力でソ連を世界最高の国家へと導きます。しかしスターリン時代の圧政により両親を亡くし、無政府主義者となったバットマン(なんとこのコミックではバットマンもソ連の人間です)やアメリカ合衆国が誇る人類最高の頭脳を持つレックスルーサーが立ち塞がる‥という、立場は変われどどのキャラクターも「らしさ」を失っていない、エルスワールドの醍醐味を十分に味わわせてくれる好作品です。

この作品の素晴らしさは、世界の支持者となったスーパーマンやソ連の共産主義を決して悪し様に描いていないという事です。どんなに立場が違えど、スーパーマンは人々の心にある善良さを信じ、世界を良くする為に奔走します。

「世界を統治する」という選択を取ったスーパーマンが、より良い世界の為に動いた時に、世界はそしてスーパーマン自身はどうなってしまうのか?‥という展開がこの物語のキモとなり、最後に残された衝撃の展開に繋がっていきます。

世界を統治したスーパーマンはその徹底した監視ぶりをイギリスのディストピアSF小説の代表格「1984」に出てくるビッグブラザーの様だと揶揄されます。
自分の力に依存する余りに危機感の薄まった人間たちに一種の軽蔑した気持ちを持ち、次第に孤独となるスーパーマンは見ていてとても哀しく、またレックスの決行した最後の作戦によってある選択を取った時の解放されたような表情はとても胸を打ちます。
そして最後の最後に明らかになる衝撃の「彼らの未来」ーはじめて読んだ方はページを閉じた時に必ず満足しているしょう。

半神としてスーパーマンが人類を支配する世界で逆説的にスーパーマンが如何にヒト信じていたのか、そしてヒトの素晴らしさ、強さを解いた大傑作、未読の方は是非お読み下さい。

                       オーナー徳永ラウェイ



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