アメコミ感想第10回 バットマン:マッドラブ

こんにちわ。

徳永ラウェイでございます。

今回は今年映画やハロウィンで世界中の注目を浴びた「ハーレイ クイン」を主役とした表題作を紹介させて頂きます。


みなさま、「スーサイドスクワッド」は見られましたでしょうか?


セクシーでクレイジー、そして「犯罪界の道化王子」の異名を持つアメコミ屈指の名ヴィランであるジョーカーのファム・ファタールとして妖しく輝く彼女に憧れを持った方は男女問わずたくさんいらっしゃると思います。


銀幕での鮮やかなデビューを飾った、強く誰とも対等で刹那的な魅力を持つレディ‥しかしハーレイは当初からそんなキャラだったわけではありません。

当初の彼女は名の通りの道化師としての側面が非常に強いキャラでした。


ハーレイは元々、バットマンのアニメ作品のオリジナルキャラです。


アニメでとても人気が出たのでコミックに逆輸入されて‥というアメコミの中でもかなり珍しいケースで生まれました。

ジョーカーの助手としてデビューした彼女は映画と同じくジョーカーに対して非常に強い愛情を持つ性格でしたが、

その愛はかなり依存的で、そんなハーレイをジョーカーは疎ましく思っていたのでした。


「オレをプリンちゃんと呼ぶな」


自分を不愉快な愛称で呼ぶ彼女に対してそう叫ぶジョーカーにはいつもの笑顔はありません。


疎ましさのあまり暴力を振るうこともしばしばでした。


助手としての信用はありますが、あくまで道具としてしか見られていない‥

ジョーカーにとってハーレイは決して恋愛対象ではなかったのです。


そんな現状を打破しようとハーレイは単独でバットマンを捕まえようとします。

ハーレイのこの行動はジョーカーに振り向いてもらうため‥という理由でしょうが、それ以上にジョーカーが唯一執着するバットマンに対する嫉妬もあったかもしれません。


ハーレイとバットマンの対峙する前に現れたジョーカーのとった行動、そしてそれに応えるハーレイのセリフはまさに「マッドラブ(狂った愛)」です。

‥もしかしたらジョーカーは自分に依存するハーレイの中にバットマンに依存する自分の滑稽さ見出していたかもしれません。


それほどに、表題作の中でのジョーカーはハーレイにひどく(しかもとても人間臭く)辛くあたります。

狂人ジョーカーに皮肉にも唯一『まともな人間の様に』ヘイトされるハーレイがそれでもジョーカーを愛する滑稽で哀しい物語‥


是非みなさま楽しんでください。

‥この説明だと哀しいだけのキャラのようですが、以下の作品ではクレイジーでパワフルな彼女の活躍もきっちり楽しめます。

ヴィラン友達?の「ポイズンアイビー」とのバディコメディ、ハーレイが大暴れするのを見たい方にはこちらがオススメです。



『バットマン ハーレイ&アイビー』

ただいま絶版です‥再販して欲しい一冊ですね。

※当店の蔵書にはあります。




さらに余談ですが、この「マッドラブ」アニメ版が「バットマン アンダーザレッドフード」というタイトルのOVAに特典としてついております。



日本語字幕はありませんが、傑作揃いのDCアニメの中でと最高峰と評される作品ですのでご興味のある方はこちらもぜひとも。









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