アメコミ感想 第5回 オールスタースーパーマン

だいぶ涼しくなりましたが、みなさん如何お過ごしでしょうか?

今回は私、オーナーである徳永が待ちに待った翻訳タイトル、

「オールスタースーパーマン」をご紹介させて頂きます。



このオールスタースーパーマンは‥翻訳作品では一連のバットマンタイトルや、実験動物達の悲劇の逃走劇「WE3」などを手がけ、

さらにアメコミ愛とイマジネーション溢れるアメコミアーティスト立志伝でありプライベートオピニオンアメコミストーリーでもある稀代の名著「スーパーゴッズ」の作者でもあられる‥


スコットランドはグラスゴーが生み出した現代の奇人、


「グラントモリソン」がライターを務めております。

グラント・モリソン

さて、ここからはいつも以上に個人的な感想になってしまいます‥

えー‥皆さんはスーパーマンに感情移入する事は出来るでしょうか?

あらゆるフィクションでたびたび賛辞として挙げられる「人間味がある」、「自分の事のように悩みや辛さが伝わる」といった言葉は‥誤解を恐れずに言えば私はスーパーマンにはあまりそぐわないと思います。
※勿論、膨大な歴史を誇るスーパーマンのコミックをほんの少し読んだ程度で定義づけられる話ではないと思います。
身勝手かもしれませんが、あくまで私の今感じている事を述べているだけ‥という事をご了承ください。


空を飛び、衛星を支える怪力を有し、ぼぼ不滅の肉体を持つ男が内包する精神は、果たして我々と同じでありえるのでしょうか?

勿論彼は故郷スモールビルや育てのご両親を慈しむ純朴な精神を持つ、まさに好青年です。
そして彼の精神は神の様な己の力を失っても損なわれる事がない事を、近年作※でも証明されています。

※未翻訳「SUPERMAN THE MEN OF TOMORROW」で彼は新たな力の代償に一時的にスーパーパワーを失います。コチラも大傑作です。


‥しかし神の力を持った人間にはそれにそった物語もあってよいのでは?
あの地球を逆回転させてしまった牧歌的かつ幻想的な名画、クリストファーリーブ版スーパーマンの様な作品が現代にあっても良いのでは?

そう思っていた私にとってこの「オールスタースーパーマン」は大のお気に入りタイトルのひとつとなるのでした。

不滅の肉体を持つスーパーマンが(歴史的には幾度とありましたが)訪れる「死」というありえないクライシス、しかしそんな暗い状況とは思えない様なリラックスしたムード、ウットリするような不思議な物語が‥

モリソンと同郷人であるアーティスト「フランククワイトリー」の白昼夢の様なファンタジックなアートによってカタチ作られています。

フランク・クワイトリー

画像は挙げませんが‥クワイトリーの描くスーパーマンの秘密基地「孤独の要塞」は見ているだけで多幸感に包まれる様な素晴らしいアートです。

彼の卓越したアートは他にも上記した「WE3」や「JLA:逆転世界」で翻訳作品でも楽しむ事ができます。

「おいおいアンタさっきスーパーマンは不滅って言ったじゃんか」、


「え、死ぬの?最後に偉大なヒーローを失っても悲しいね。っていう感動モノ?」


‥と思いの方もいらっしゃると思われますが‥
この物語はスーパーマン最後の物語‥でありモリソン&クワイトリーの不滅の神への賛美歌でもあります。

長き歴史と世界史上最強クラスのアイコンであるスーパーマンでしか達成出来ないこの名作のラストを是非皆さん機会があれば味わって下さい。

‥スーパーマンのDNA配列はバッハ調らしいです。

ちなみに、海外版で日本語字幕はついておりませんが、このタイトルはアニメ化もされています。クワイトリーのアートをアニメ調にアレンジしてあり傑作揃いのDCアニメの中でもトップクラスの作品となっております。



オーナー 徳永ラウェイ

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