アメコミ感想・第1回 デアデビル:ボーン・アゲイン

こんにちは。オーナーの徳永です。


今後このブログにて定期的に担当者の好きなアメコミを紹介していこうと思います。

基本的にはストーリーの内容にふれずに読んだ時の感想メインにしていこうと思います。読んでなんらかの知識を得られる‥という訳ではありませんので、「CROSSOVERのスタッフはこんなモノが好きなんだな」くらいの気持ちでお読み下さい。


また若干のネタバレはありますのでご注意くださいませ。


記念すべき一発目はただいま巷を騒がせております脅威のストリーミングサービス、NETFLIXにてドラマが絶賛配信中のマーベルヒーロー「デアデビル」より翻訳アメコミ、


「デアデビル:ボーン・アゲイン」です。




このデアデビルボーンアゲインは…80年代にアメコミ業界に革新をもたらせたという稀代のアーティスト、「フランクミラー」がストーリーを担当したアメコミ史に残る大傑作です。


来年上映する「バットマンvsスーパーマン」もフランクミラーの代表作であるバットマン作品の金字塔、「ダークナイトリターンズ」をかなりイメージソースにしていますが、この「デアデビルボーンアゲイン」は「ダークナイト〜」以前にマーベルにてフランクミラーが脚本を手がけたものです。

フランク・ミラー



アメコミ、特にヒーローコミックは基本的に分業制です。会社の管理しているキャラクター(DCならスーパーマンやバットマン、マーベルならスパイダーマンやアイアンマンなど)を絵を描く人間、描いた絵に色を塗る人間、脚本を書く人間…といった具合に様々なスタッフが協力しあって作品は生み出されていきます。


フランクミラーはそれまでにはなかったハードボイルドな作風をアメコミ界に持ち込んだ…と言われておりますが、私はフランクミラーの脚本作全てを読んだわけではありませんので、本人の詳しい言及はここではしません。



私がここでハッキリと主張したいのは「デアデビル:ボーン・アゲイン」は「アメコミ史的な観点で抑えておくべき」とか「アメコミ好きなら知っておくべき古典」とかではなく、


ただ、ただ純粋に読めばココロが震える最高にアツいコミックだと言うことです……!!


思わず声に出してつぶやきたくなるフランクミラー(翻訳:秋友克也氏)のモノローグ…!

全てを奪われ憔悴しきったマットマードックの哀愁…!

そしてそれでもなお立ちあがる後半のカタルシス…!

乾ききったニューヨークとギラギラした登場人物を完璧に描写するデビット・マッケリーのアート…!

‥超カッコいい。



…デアデビルは盲目のヒーローです、そのハンデを補ってあまりある超感覚「レーダーセンス」と常人としては究極レベルの運動神経、弁護士という高い社会的立場(…と女性にモテまくる才能)を持ち合わせてはいますが、視力というかけがえの無いものを「奪われた」事から始まったヒーローです。


そんなデアデビルが社会的地位を、財力を、友人を、そして自分の正気すらも一度は奪われなおも立ち上げる…

(私は敵に口座を凍結されたヒーローをはじめて見ました。)

‥奪われたからこそよりタフに、よりギラギラと立ちあがる…まさにボーンアゲイン(再生)です。そのデアデビルの不屈の精神、ハードな生き様はきっと読んだ者の心になにかを残すハズです。


予備知識はほとんど要りません。

マットマードックという男が弁護士をやる傍らに夜は街で悪人(アメコミでは「ヴィラン」と呼ばれます)から住民たちを守るため「デアデビル」というヒーローとして活躍している…

そして宿敵の「キングピン」は絶大な権力を持つマフィアである…


これだけ抑えれば大丈夫です。ドラマ版「デアデビル」と状況は違えど登場する人物はかなり共通しているのでドラマが気にいった方もすんなり読めるでしょう。



この「デアデビル:ボーン・アゲイン」、長らく絶版でしたが今月(9月)再販予約開始が決定しております。

(期間限定の通販のようです)


ぜひこの傑作を楽しんでください。

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